検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 105 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

Stress corrosion cracking induced by the combination of external and internal hydrogen in Al-Zn-Mg-Cu alloy

Tang, J.*; Wang, Y.*; 藤原 比呂*; 清水 一行*; 平山 恭介*; 海老原 健一; 竹内 晃久*; 上椙 真之*; 戸田 裕之*

Scripta Materialia, 239, p.115804_1 - 115804_5, 2024/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Nanoscience & Nanotechnology)

Al-Zn-Mg-Cu合金の外部および内部水素(H)の組合せによって誘起される応力腐食割れ(SCC)の挙動をその場3次元評価技術を使い系統的に調べた。Al-Zn-Mg-Cu合金のSCCは水素濃度が臨界値を超える潜在的なクラック発生領域で発生・進展し、Hがナノスケール$$eta$$-MgZn$$_2$$析出物界面での原子結合を弱め巨視的な割れを引き起こしていることが分かった。さらに、水環境からき裂へ浸透した外部Hが、き裂先端近傍に勾配を持つH影響ゾーンを作ることでSCCにおいて重要な役割を果たすことや、あらかじめ存在する内部Hが、塑性変形に伴いき裂先端に向かうことでSCCにおけるき裂の発生と進展の両方に関与することも分かった。

論文

Failure estimation methods for steam generator tubes with wall-thinning or crack

山口 義仁; 真野 晃宏; Li, Y.

Proceedings of ASME 2022 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2022) (Internet), 10 Pages, 2022/07

蒸気発生器(SG)伝熱管は、加圧水型原子炉の重要な機器の一つである。SG伝熱管では、減肉や応力腐食割れなどの検出が報告されている。SG伝熱管の構造健全性を評価するためには、一次冷却系からの内圧と二次冷却系からの外圧の両方を考慮して破裂による破壊を評価する必要がある。そこで、様々な機関においてSG伝熱管を対象とした破裂試験が実施され、それに基づき破壊評価法が提案されている。本研究では、減肉又は亀裂を有するSG伝熱管を対象に、既存の破裂試験データを調査し、それを踏まえて、亀裂又は局所的な減肉を有するSG伝熱管に適した破壊評価法を新たに提案した。また、これらの破壊評価法の適用性を、予測結果と実機SG伝熱管の破裂試験データを比較することにより確認した。

論文

Effects of potential on the electrical conductivity of a solution within a crevice of stainless steel in high-temperature water

相馬 康孝; 小松 篤史; 上野 文義

Corrosion, 78(6), p.503 - 515, 2022/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)

高温水中におけるステンレス鋼の応力腐食割れ(SCC)を理解するためにはすき間部における溶液の性質を、電位(ECP)の関数として理解することが重要である。本研究ではSUS316Lステンレス鋼すき間内の溶液導電率($$sigma$$$$_{crev}$$)の測定を288$$^{circ}$$C、8MPa、主要なアニオンとして約10ppbのCl$$^{-}$$を含有する水中で行った。$$sigma$$$$_{crev}$$のその場測定は、すき間幅15$$mu$$mおよび奥行き23mmの直方体すき間において、異なるすき間深さ位置に設置した電気化学センサーにより実施した。ECPを-0.49V (vs. standard hydrogen electrode at 288$$^{circ}$$C, 8MPa)から-0.12Vに増加させたところ、$$sigma$$$$_{crev}$$は開口部から21mmの距離において12$$mu$$Scm$$^{-1}$$から160$$mu$$Scm$$^{-1}$$まで上昇した。$$sigma$$$$_{crev}$$の上昇は約0.15Vで最大値(約300$$mu$$Scm$$^{-1}$$)を示したのちは電位上昇と共に減少する傾向を示した。本現象は電気化学反応を考慮した有限要素法解析により定量的に再現することができた。すなわち、比較的低電位ではCl$$^{-}$$が主要なすき間内への電気泳動種となり、ECP上昇により$$sigma$$$$_{crev}$$は単調に増加し、同時にpHも低下すると考えらる。一方、ECPが0V近傍を超えると過不働態溶解によって発生したHCrO$$_{4}$$$$^{-}$$もすき間内へ十分な量が泳動する。本化学種はCl$$^{-}$$とは異なり酸化性が強いことから、金属カチオンと反応してそれを酸化沈殿させ、導電率を下げるものと推測された。

論文

我が国初の軽水型発電炉JPDRにおける腐食割れ損傷事例

塚田 隆; 相馬 康孝

保全学, 19(4), p.37 - 44, 2021/01

我が国初の軽水型発電炉であるJPDR(Japan Power Demonstration Reactor)において発生した二つの主要な腐食割れ損傷経験を解説する。第一の事例は1966年に発見されたJPDR圧力容器上蓋クラッド部におけるヘアークラックである。ヘアークラックは初臨界から7335時間の運転を経た第1定期点検において圧力容器上蓋の低合金鋼に肉盛りされたSUS304相当の層(クラッド部)において発見された。同損傷は各種分析に供され、割れは200箇所に渡り一部は厚さ6.4mmのクラッドを貫通して低合金鋼に達していること、並びに不適切な手溶接によると思われる金属相中のフェライト量の低下が確認された。これらの結果に基づいて種々の対策が施され、以後日本では同種の損傷が発生することを防止することができた。この事象はクラッドを貫通した割れが圧力容器低合金鋼の疲労破壊にどのように関連するかという安全上の重要課題を惹起し、その後の国際研究協力や規格策定に係わる「環境助長割れ」研究へと繋がって行った。第2の事例は1972年に発見された原子炉圧力容器ノズルセーフエンドと配管の溶接部における割れ現象である。この配管割れ現象は一次冷却水の漏洩を招いたため、各種の詳細調査が行われた。その結果、割れは高い応力,溶接熱影響による鋭敏化、および溶存酸素を含む高温水という因子が重畳して発生した応力腐食割れであると結論された。この損傷はその後商業用BWRに多発した一次冷却系配管のSCCと共通する現象であったと考えられる。

論文

Corrosion resistance of a cast steel overpack for high-level radioactive waste disposal in Japan

小川 裕輔*; 鈴木 覚*; 谷口 直樹; 川崎 学*; 鈴木 宏幸*; 高橋 里栄子*

Materials and Corrosion, 72(1-2), p.52 - 66, 2021/01

 被引用回数:2 パーセンタイル:12.73(Materials Science, Multidisciplinary)

鋳鋼は、炭素鋼オーバーパックのレファレンス材料とされている鍛鋼の代替材料のひとつである。本研究では実規模の鋳鋼オーバーパックを試作するとともに、鋳造欠陥の検査を行った。また、このオーバーパックから切り出した試験片を用いて腐食速度と応力腐食割れ感受性に関する腐食試験を行い、鍛鋼との比較を行った。ふたつの腐食試験より、鋳鋼の耐食性は鍛鋼と同等であることがわかった。

論文

Stress corrosion cracking of copper in swollen bentonite simulating nuclear waste disposal environment

藤本 愼司*; 土谷 博昭*; 小川 壮馬*; 飯田 芳久; 谷口 直樹

Materials and Corrosion, 72(1-2), p.333 - 338, 2021/01

 被引用回数:3 パーセンタイル:12.73(Materials Science, Multidisciplinary)

ベントナイト中の純銅の応力腐食割れ(SCC)を低速ひずみ速度試験(SSRT)により調べた。ベントナイトを純水又は0.05M及び0.1MのNH$$_{3}$$を含む水溶液で膨潤させたところ、銅表面に厚い腐食膜と微粒子状の析出物が形成された。膨潤ベントナイト中の純銅表面には、NH$$_{3}$$を添加した場合と添加していない場合とで、典型的な変色破断型SCCが発生した。き裂進展速度はNH$$_{3}$$により向上した。塑性変形の際に銅上に厚い酸化物層が形成され、その結果として、変色き裂型SCCが発生することが確認された。また、表面に観察された多くの微粒子堆積物は、Cu$$^{2+}$$が急速に溶解して変形部位に多孔質のCuOを形成した結果として形成されたものと考えられる。

論文

再処理施設におけるジルコニウムの応力腐食割れ評価に関する考察

橋倉 靖明*; 石島 暖大; 中原 将海; 佐野 雄一; 上野 文義; 阿部 仁

保全学, 19(3), p.95 - 102, 2020/10

プルトニウム濃縮缶を対象とし、硝酸及び硝酸ナトリウム水溶液を用いて、印加電位を制御した定荷重引張試験及び電気化学試験を実施した。その結果を用い、硝酸濃度-き裂発生電位マップを作成した。また、応力腐食割れの可能性を評価する際には、硝酸だけでなく、硝酸塩に配位した硝酸イオン濃度も考慮する必要があることが明らかとなった。

論文

IV.各種環境での電気化学測定; 原子力I(原子力プラント環境下における電気化学測定)

上野 文義

材料と環境, 68(1), p.2 - 8, 2019/01

軽水炉(BWR, PWR)の冷却水の水質を適切に管理することは、構造材料の腐食や放射性腐食生成物の発生を低減するために重要である。そのため、電気化学測定法を用いた水質のモニタリングが必要である。本稿では、BWRにおけるECP測定の適用を中心に、軽水炉の水質と電気化学測定の必要性について述べる。

論文

酸素飽和高温高純度水中におけるSUS316Lステンレス鋼すき間内の局部腐食

相馬 康孝; 上野 文義

材料と環境, 67(5), p.222 - 228, 2018/05

溶存酸素濃度約32ppm、温度288$$^{circ}$$Cの高純度水中に100h浸漬したSUS316Lステンレス鋼のすき間内における局部腐食現象を詳細に分析した。テーパーのついたすき間内において、すき間先端部側(すき間幅十数$$mu$$m以下)の領域において、粒界、および介在物を起点とした局部腐食が発生した。前者は、粒界に沿って発生し、粒内にも腐食が進行した。粒内では腐食がまだら状に進行し、腐食生成物であるFeCr$$_{2}$$O$$_{4}$$に相当する組成の酸化物と残存金属相が混在する組織を示した。後者は、CaとSを含む介在物を中心として円形に発生し、腐食生成物としてFeCr$$_{2}$$O$$_{4}$$に相当する組成の酸化物が生成した。これらの局部腐食現象はすき間先端側の酸素枯渇域に集中して発生し、より開口側に近い酸素到達域では発生しなかった。局部腐食発生域と非発生域の分布から、すき間内におけるアノードとカソードの分離が示唆された。

論文

In situ electrochemical study on crevice environment of stainless steel in high temperature water

相馬 康孝; 加藤 千明; 上野 文義

Proceedings of the 18th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors, Vol.2, p.509 - 521, 2018/00

高温高圧水中におけるステンレス鋼のすき間内環境を調べるために、電気化学的手法によるその場観察を行った。小型($$phi$$250$$mu$$m)のセンサーをすき間内に設置し、すき間内の局部的導電率、$$kappa$$$$_{rm crev}$$、分極抵抗、および腐食電位の測定を行った。これにより、バルク水導電率、バルク水溶存酸素濃度などの外部環境を変動させた際のすき間内環境の応答挙動をリアルタイムに分析した。その結果、すき間内の場所に依存して$$kappa$$$$_{rm crev}$$が1桁以上変動すること、$$kappa$$$$_{rm crev}$$はバルク水の溶存酸素濃度を脱気状態から30ppb程度までに上昇させただけで敏感に応答して増加すること、溶存酸素濃度32000ppbでは$$kappa$$$$_{crev}$$はバルク水の100倍以上の値となること、並びにそれらの挙動はすき間形状に大きく依存することを明らかとした。

論文

Irradiation assisted stress corrosion cracking

Pokor, C.*; Herbelin, A.*; Couvant, T.*; 加治 芳行

NEA/NSC/R(2016)5 (Internet), p.317 - 360, 2017/05

高経年化BWRプラントにおいて、炉心シュラウドの中心位置では照射誘起応力腐食割れ(IASCC)の感受性を持つ照射レベルになる。BWR炉内プログラムでは、BWRの炉内構造物における粒界型応力腐食割れ(IGSCC)進展特性の評価体系の開発を行ってきており、また日本の原子力安全基盤機構では、原子力発電所の高経年化維持管理のための安全研究開発の一環としてIASCC進展速度データに関するプロジェクトを実施してきている。多くの研究者がオーステナイト系ステンレス鋼やNi基合金のSCCやIASCC進展速度予測モデルを提案しているが、これらのモデルはまだ初期段階のモデルであることから詳細な実験結果と比較することによるモデルの高度化が必要である。

論文

高温水中におけるバルク水溶存酸素濃度変化時のステンレス鋼すき間内電位および導電率の応答挙動

相馬 康孝; 加藤 千明; 上野 文義

腐食防食協会第63回材料と環境討論会講演集, p.253 - 256, 2016/10

軽水炉構造材である低炭素ステンレス鋼の応力腐食割れ(SCC)内部においては、主き裂とは別に粒界および粒内腐食が観察される。このことから、高温高圧水中におけるステンレス鋼のすき間構造部においては外界よりも厳しい腐食環境が形成され、それがき裂の進展に寄与する可能性がある。われわれは前報において、SUS316Lステンレス鋼の人工すき間内に小型のセンサーを設置し、局部的溶液導電率$$kappa$$を調べたところ、すき間ギャップが十分小さい場合、$$kappa$$は外部環境(バルク水)より100倍以上の値を示すことが分かった。一方で、前報では溶存酸素濃度は純酸素飽和条件で一定としたため、すき間内環境の形成に及ぼす溶存酸素の影響は不明である。そこで本研究においては、バルク水の溶存酸素濃度を周期的に時間変化させ、その際のすき間内における導電率の応答挙動をIn-situ分析することで、すき間内環境に及ぼす溶存酸素の影響を考察した。その結果、バルク水を脱気状態から酸素飽和状態に変化させた場合、すき間内部の溶液導電率が最大で10倍以上となった。このことから、溶存酸素がすき間環境を形成する要因であると考えられた。

論文

半円より奥に深い亀裂の応力拡大係数解の比較

永井 政貴*; Lu, K.; 釜谷 昌幸*

日本機械学会M&M2016材料力学カンファレンス講演論文集(インターネット), p.481 - 483, 2016/10

近年、原子力発電プラントのニッケル合金溶接部において、アスペクト比$$a/l$$=0.5 ($$a$$:亀裂深さ、$$l$$:亀裂長さ)を超える半円より奥に深い応力腐食割れ(SCC)亀裂が検出される事例が報告されている。このような亀裂を有する構造物の健全性を合理的に評価するため、半円より奥に深い亀裂の応力拡大係数解が複数提案されている。本発表では、半円より奥に深い亀裂の応力拡大係数解について、解の相互比較およびSCCによる亀裂進展のベンチマーク解析を行い、異なる解による解析結果を報告する。

報告書

SCCき裂先端における変形挙動のマルチスケール解析(受託研究)

加治 芳行; 三輪 幸夫; 塚田 隆; 早川 正夫*; 長島 伸夫*; 松岡 三郎*

JAERI-Research 2005-029, 156 Pages, 2005/09

JAERI-Research-2005-029.pdf:57.24MB

本報告書は、原子力安全基盤機構(JNES)のIGSCCプロジェクトにおいて得られるSCCき裂進展特性の妥当性をSCCメカニズムの観点から評価するために、CT試験片き裂先端の変形解析や組織観察をナノレベルまで踏み込んで詳細に調べ、ナノ,メゾ,マクロ領域での硬さを統一強度指標として採用し、必要な基礎データ(主として、マクロな塑性域の大きさとその中での粒内・粒界における結晶方位,歪み,転位等の組織データ)を取得することを目的として、実施したSCCき裂先端における変形挙動のマルチスケール解析に関する研究結果をまとめたものである。

報告書

確率論的破壊力学解析コードPASCAL-SC及びPASCAL-EQの使用手引き

伊藤 裕人*; 鬼沢 邦雄; 柴田 勝之*

JAERI-Data/Code 2005-007, 118 Pages, 2005/09

JAERI-Data-Code-2005-007.pdf:5.23MB

軽水炉構造機器の健全性に関する研究の一環として、確率論的破壊力学解析コードであるPASCAL-SC及びPASCAL-EQを開発した。これら両コードは、安全上重要な配管溶接部の破損確率をモンテカルロ法により評価するものである。PASCAL-SCは経年劣化事象として応力腐食割れ(SCC)を対象とし、またPASCAL-EQは地震荷重等による疲労き裂進展を対象としたコードである。これらのコードは、破壊力学の最新の知見や計算機性能向上を踏まえ、非定常な地震荷重によるき裂進展が評価可能であると同時に、応力拡大係数や破断判定法に最近の破壊力学的知見が盛り込まれている。また、GUIによる入力データ作成,解析(計算)実行,解析結果のグラフ描画が可能であり、操作性の向上も図られている。本報告書は、PASCAL-SC及びPASCAL-EQの使用方法と解析理論及び手法をまとめたものである。

論文

Branching mechanism of intergranular crack propagation in three dimensions

板倉 充洋; 蕪木 英雄; 荒川 忠一

Physical Review E, 71(5), p.055102_1 - 055102_4, 2005/05

 被引用回数:9 パーセンタイル:39.32(Physics, Fluids & Plasmas)

遅く進展する三次元の粒界割れ現象について、メゾスケールの有限要素法モデルを新たに構築しシミュレーションを行った。その結果、粒界の幾何学的なランダムネスによって亀裂先端の一部が進展を阻害され、その部分を迂回する過程で亀裂に分岐ができる三次元に独特なメカニズムを発見した。またより一般的な連続空間での亀裂進展現象においても同様なメカニズムによって亀裂の分岐が生じる可能性を指摘した。

報告書

HTTR水素製造システム実規模単一反応管試験装置触媒粉塵用フィルタノズル部損傷の原因調査と再発防止対策に関する報告(受託研究)

森崎 徳浩; 林 光二; 稲垣 嘉之; 加藤 道雄; 藤崎 勝夫*; 前田 幸政; 水野 貞男*

JAERI-Tech 2005-009, 37 Pages, 2005/03

JAERI-Tech-2005-009.pdf:14.33MB

実規模単一反応管試験装置の触媒粉塵用フィルタのノズルフランジと鏡の溶接部近傍の損傷(き裂)に関し、損傷の原因調査及び再発防止対策等について審議検討を行った。損傷の原因は、内面側から発生した応力腐食割れ(SCC)によるものと推定された。このため、触媒粉塵用フィルタ内の凝縮水発生防止,溶接残留応力低減,溶接鋭敏化低減を行うためのフィルタの改修を行った。また、試験装置の類似継ぎ手構造部の健全性確認を実施した結果、いずれの箇所にも欠陥は検出されず、健全性が確保されていることを確認した。

論文

核融合炉ブランケットシステムの材料課題; 冷却水との両立性を中心に

三輪 幸夫; 塚田 隆; 實川 資朗

プラズマ・核融合学会誌, 80(7), p.551 - 557, 2004/07

環境助長割れは軽水炉炉心材料における問題の1つである。環境助長割れについては、多くの知見が軽水炉の分野で得られてきている。核融合炉の運転温度は軽水炉とは異なるが、核融合炉の水冷却型ブランケットシステムにおいて環境助長割れを予防するためには、軽水炉で得られた知見を活用することは有益である。これまでの知見から、オーステナイト系ステンレス鋼及び低放射化フェライト・マルテンサイト鋼については、水冷却型ブランケットシステムにおいて環境助長割れは重大な材料問題とはならないことが考えられる。しかし、水温,水質及び応力状態などに幾つか不確定な因子の環境助長割れへの影響も考えられる。これらの因子について、今後必要な考慮や試験結果について議論した。

報告書

柏崎刈羽原子力発電所1号機再循環系配管サンプル(K1-PLR)に関する調査報告書(受託研究)

シュラウド・再循環系配管サンプル調査チーム

JAERI-Tech 2004-049, 44 Pages, 2004/06

JAERI-Tech-2004-049.pdf:7.21MB

柏崎刈羽原子力発電所1号機において、原子炉再循環系配管の溶接継手部にひび割れ(以下、き裂)が確認された。本調査は、東京電力(株)が日本核燃料開発(株)にて実施するき裂を含む材料サンプルの調査・評価に関して、原研が第三者機関として調査計画の策定段階から加わり、調査中に随時試験データの評価や試験現場への立会を実施し、最終的に得られた調査データを入手し原研独自の調査報告書を作成することにより、調査の透明性を確保することを目的として実施した。本調査により、以下のことが明らかとなった。(1)き裂は、管内表面の溶接部近傍に発生しており、深さは7mm程度であった。(2)き裂部破面のほぼ全体が粒界割れであった。(3)管内表面のき裂開口部には深さ100$$mu$$m程度の範囲で粒内割れを含む部分があり、その部分には加工により形成された金属組織及び硬さの上昇が見られ、き裂は硬さの最も高い部分の付近で発生していた。(4)き裂近傍の結晶粒界近傍においてごくわずかにCr濃度が低下していた。本調査の結果と、溶接によりき裂部付近で発生したと考えられる引張残留応力及び炉水中の溶存酸素濃度等を考慮すると、このき裂は応力腐食割れ(SCC)であり、材料の硬さと関係があると結論される。

報告書

女川原子力発電所1号機再循環系配管サンプル(O1-PLR)に関する調査報告書(受託研究)

女川1号機再循環系配管サンプル調査実施チーム

JAERI-Tech 2004-003, 74 Pages, 2004/02

JAERI-Tech-2004-003.pdf:30.08MB

本調査は、女川原子力発電所1号機原子炉再循環系配管を切断し採取したき裂を含む材料サンプルについて、日本原子力研究所東海研究所の照射後試験施設において各種の検査を実施し、き裂発生の原因究明に資する知見を取得することを目的として実施したものである。本調査の結果、以下のことが明らかとなった。(1)き裂は、管内表面の溶接部近傍に発生しており、深さは約5$$sim$$7mm程度であった。(2)き裂部破面のほぼ全体が粒界割れであるが、管内表面のき裂開口部には約100$$mu$$m程度の粒内割れを含む部分が観察された。また、その部分には、加工により形成された金属組織及び硬さの上昇が見られ、き裂は硬さの最も高い部分の付近から発生していた。本調査の結果と、溶接によりき裂部付近で発生したと考えられる引張残留応力及び炉水中の溶存酸素濃度等を考慮すると、このき裂は、加工層を有する管内表面で応力腐食割れ(SCC)により発生後、SCCとして結晶粒界を経由して進展したと結論される。

105 件中 1件目~20件目を表示